副園長の子育て応援通信

「不都合は好都合!?」(5月号)

幼稚園という集団に入ると、今まで経験したことのないようなことが次々と起こっているかもしれません。使っていたおもちゃを持って行かれたり、ボールが使いたくてもなかなか代わってもらえなかったり、隣で遊んでいた子の泥んこが飛んできて顔に付いたり、・・・文字通り世間の荒波に放り出されたような状態かもしれません。(もちろん楽しいことはそれ以上に盛だくさんですが・・・)

そばで親が見ていようものなら飛んでいって手を貸したくなるようなることもあるでしょう。でもこの「困ったなあ」という時が子どもが成長する絶好のチャンスです。「取られたおもちゃを取り返そうか・返してほしいと言おうか・先生に言ってみようか・・・」あれこれ考えてやってみたり、近くにいた年長組さんが助けてくれてホッとしたり、お友達が先生を呼びに行ってくれて嬉しかったり、自分で顔を洗って泥を落としスッキリしたり、気が付けば自分の力で乗り越えている・・・そんな経験が積み重なって生きる力につながっていきます。

乗り越えた経験が多いほど集団の中でうまく生きていくことができるようになっていきます。何も心配しないで過ごせる環境の中で育つよりも、何かちょっとした不都合があった方が自分で考えて行動するようになりますよね。「ママ・・・」と声をかければ何でも叶えてくれるありがたい環境は、実は逆に成長のチャンスをつぶしていることになるのかもしれません。

よく、「子どもの芽を摘まないように・・・」と言いますが、芽が出てぐんとのびるときはいつなのかを探っていきたいですね。手を貸したい時、口を出したい時は実は子どもが何かを乗り越えて芽を出しているときかもしれません。子どもの育ちを理解し、大人がするべきことは何なのか難しいけど一緒に考えていきましょう。

 

もうすぐクラス懇談が始まります。子育ては面白いけど難しくって・・・私もずっと悩み迷いながら子育てをしてきました。そんな思いを共有しながら、楽しい会にしたいですね。

気になることを一つ。まだオムツが取れなくて悩んでいる方もいると聞きました。体の成長に左右されますよね。(特に夜のおしっこは眠っている間なので、本人の意志ではどうしようもなく、うちの子も長い間おねしょをしていました。)でも昼間は、生活のリズムの中にトイレに行く習慣をうまく組み込めば、一気に取れることが多いと思います。それは生活を見通す力と関係していて、排尿のタイミングとトイレに行くタイミングを合わせることは、3才児ではもうできるはず。家でも布パンツにして、トイレに行く我が子としっかり向き合って頑張ってみてくださいね。