「いろんな方向から育ちを見る」
せんりひじり幼稚園では、毎年、年に4回ほど大妻女子大学の岡健教授をお招きして園内研修を行っています。先日の園内研修も、子どもたちが見せる姿や場面から、子どもが感じていることや思い
を考え、子どもの育ちや私たち大人の関わり方を語り合いました。 普段から職員同士で子どもの姿や育ちをよく語り合います。多くの視点で見て考える事で担任だけ
では気づかなかったことも気づくことが出来ます。ところが園内の職員で語り合っても、「いろんな姿があることはわかったけど、一体どうしたらいいんだろう」と行き詰まることもあります。そんな時に外部の先生に見てもらうことで、新たな見方に気付き、次への関わり方や環境の工夫の仕方が見 えてきます。
こういったことって、家庭での子育てでもあるといいですよね。自分の子どものことを一番知っているのは自分・・・と思っていたけど、幼稚園の先生や他の保護者の方が、我が子のいい面や家庭では見せない一面に気付いてくれることがあったりしませんか。 私も毎日我が子と向き合っていると、 子どものいいところが見えなくなったり、否定的にとらえてしまったりすることがありました。母親と子どもは距離が近すぎるからですね。岡健先生が「虫の目」で子どもを見たり「鳥の目」で子どもを見たりして、近すぎる自分の視線を引きはなして客観的に見る事の大切さを教えてくださいます。
先日から続くクラス懇談会でのグループワークでは、悩みを出し合い、そして保護者の方同士でユニークなアイデアや心温まるアドバイスを出し合っていましたね。保護者の方同士で素晴らしい答えを見つけていかれているのを見ると「園長や副園長の出る幕はないなあ・・・」と感じるほどです。 終わった後、ベテランお母さんに「悩んでいるお母さんに素敵なアドバイスをしてくださってありがとうございました」と声をかけると「私も一人目の時に悩んでばかりで、ここで先輩お母さんにたくさん教えてもらったので・・・。」とのこと。こうやって1人目お母さんは先輩お母さんに支えられ、そしていずれきっと後輩お母さんを支えていかれるのだろうなと思うと、ステキな連鎖が続いていることが素敵でまた自慢したくなりました。
「子育ては一人でするものではない」と言われますが、誰を頼ったらいいのかもわからない時もあります。こうやってクラス懇談会にたくさん出席してくださることで、支えあうコミュニティーが出 来ていいですよね。
悩みを聞いてもらってすっきりした顔で帰って行かれる保護者の方を見ると、私たちの園内研修が終わった後の気持ちと似ているなあと思ったり・・・。子どもの育ちを一面からではなくいろんな方向から見ることで、新たな発見もあって、我が子への接し方も変わるかもしれませんね。