副園長の子育て応援通信

「学びに向かう力」

3学期に入ってから、年長組は小学校入学を意識した活動が多くなってきました。年少年中も豊かなやりとりを見るともうすぐ進級だなと感じます。
先日は龍谷大学の理工学部の熱流体工学専門の塩見教授に、年長組の3クラスの希望者にかさ袋ロケットの指導に来ていただきました。宇宙教育教材研究もされていてJAXAの子どものイベントに協力されていたりします。彩先生が「最初に聞きたいことがある人?」と問いかけると、たくさん手が上がりました。K君が「気球はどうやって飛ぶのですか」の質問。「空気を温めると空気は軽くなって上に上がります・・・・」の専門的な話が始まります。子どもたちは興味津々。Rちゃんは「ロケットは何でできていますか」。の質問。「ロケットが紙や風船でできていたらどうなるだろう?・・・・」。子どもたちの質問の視点が素晴らしくて、教授もびっくり。5歳児の「知りたい」気持ちはとどまるところを知りません。
そんな様子を見ていると、今まで幼稚園での様々な取り組みや活動によって、「学びに向かう力」が育っていることを感じます。こんな思いを大切に、学ぶ環境を整えてあげると子どもはどんどん自ら「知」に向かって進んでいきます。外部の講師に来てもらうことで、そんなきっかけを作ったり、知りたいの気持ちが満たされていくのもその一つです。
幼児期の「学びに向かう力」は小学校入学後に課題に向かう力と大きく関係してきます。「学びに向かう力」とは、幼稚園で毎日のように話し合いをしながら様々なことを共有したり決めたりすることで育っていく、自分の気持ちを言う・相手の意見を聞く・物事に挑戦しようとするなど、自己統制や好奇心、人にかかわる力です。
幼児期に集中して遊んでいたり、生き物や植物に興味を持っていたり、わからないことをまわりに質問したりしていた子どもの場合、小1で、勉強が終わるまで集中して取り組む割合は6.5割を占め、家庭学習に向かう姿勢がより高い傾向がみられたそうです。幼児期にさまざまなことに集中し夢中で取り組む経験は、その後の学習活動でも生かされていくことがうかがえます。(ベネッセ教育研究所調査)
先日、地域の幼稚園・小学校・保育園・こども園の職員の交流連携会議がありました。入学前の子どもたちの育ちや姿を語り合い共有することで、段差のない移行を図るのが目的です。せんりひじりの子どもたちの育ちの姿を、短い時間では伝えきれないもどかしさを感じながら、学校での取り組みの話を聞いてきました。様々な子どもを見る視点がある中で、どんな力をどのように伸ばしていけるのか、もっともっと地域の先生方と意見交換して子どもの育ちを共有したいそんな気持ちになりながら帰ってきました。